導入実績

グループ内シェアードサービス会社からの更なるレベルアップとしてアウトソーシングを活用
2013年6月サービス開始

株式会社リコー 様
製造業
約32,000人
ご利用サービス
人事・給与・申請
グループの給与業務を3つの組織に集約していましたが、システムのリプレイス検討を機に、シェアード組織の再構築を検討され、システムと業務を合わせてエイチアールワンにアウトソーシングすることを決定されました。
制度改定とアウトソーシング導入の同時進行にも関わらず、本社・グループ23社を約2年(2013年~2014年)で移行し、シェアード組織の100名体制をアウトソーシング後5名までにスリム化を実現されました!運用後も原則カスタマイズを行わない運用を維持しており、稼動10年後も安定した運用を継続中です。
株式会社リコー様 インタビュー
株式会社リコー(以下、RICOH)
コーポレート執行役員CHRO 人事総務部 部長 長久良子様
人事総務部 C&B室 室長 中村幸正様
インタビュアー:エイチアールワン株式会社 武谷
RICOH側も同様です。HROneの仕事は現場の評価が非常に高いですね。私は中途入社ですが、アウトソーシングサービスに対してここまで社内評価が高いことは珍しいと思います。私個人も入社した時に色々な手続きをお願いしましたが、どの手続きもタイムリーに対応してもらいました。同様のサービスは以前の職場でもありましたが、もっと時間がかかっていました。この規模の委託サービスでここまでタイムリーな対応は驚きです。(長久様)
度重なるアドオン開発で複雑で重荷になっていた給与システムの刷新とあわせて、業務の標準化、集約化を更に進め、RICOHグループの国内人事機能の構造改革をすることが目的でした。(中村様)
他の給与アウトソーサーを知らないので業界内で比較することはできませんが、以前のグループ内シェアードサービスの時はオペレーション部分を任せて、「自分たちがオペレーションをしない」というくらいの理解でした。10年経過してみて感じることは、「自分たちがオペレーションをしない」代わりに「自分たちがアウトソーサーを活用して何をやるべきなのか」ということを明確に意識するようになりました。最初は現場も単に「面倒なことをやってくれて便利だ」という意識ぐらいでしたが、今ではそれぞれの役割を意識して仕事ができるようになり、アウトソーシングを活用した仕事の再整理を進めることが出来るようになっています。
また、当時のことを思い出してみると、「標準化」の検討がすごくやり易かったという感触があります。この手の検討は必ず社内で色々な横やりがあってうまく進まないのですが、「プロのプロセスに合わせることが絶対的に正しい」という考えの下、HROneのプロセスを基準に本当に効率的なプロセスは何かという検討が進めやすかったです。
さらに、結果的にその分野で大幅な工数削減が実現できており、戦略的な仕事へのシフトが徐々に進んでいます。(中村様)
委託当初HROneに出向して戻ってきたメンバーは、割と近いオペレーションの仕事する場合と企画的な仕事に移った人がいます。オペレーションの現場では、長くやっている担当者が引退すると後任補充が経験不足で難しいというケースが多いのですが、HROneへの切替で、その部分を気にしなくて済むようになりました。(中村様)
まだまだ国内では大手企業を中心に多くのシェアードサービス会社が運営されていますが、グループ内のシェアードサービス会社は既にグループ内集約が完成しているところも多く、経営的には効率化、コスト削減という引き算の論理でしか動けないところが多いように感じています。ある意味売上を下げることが目的化するので、シェアードサービス会社の従事者のモチベーション維持という点にも苦労されるところが多いようです。そういう意味からも、現状の国内シェアードサービス会社は転換点を迎えているように思います。
RICOHは10年以上前にグループシェアードサービス会社からの脱却の決断をしましたが、時代の流れもあり国内でも今後益々シェアードサービス会社の解体・再編・統合が進んでいくと思います。(長久様)

この業界におけるHROneの強みとして感じられることですが、RICOHは最近人事システムを切り替えました。先日そのシステムベンダー主催のユーザ会に参加して事例紹介の発表をしたのですが、その際導入したのが人事モジュールだけで給与モジュールを使わなかったことに参加者一同驚いていました。皆さん、そもそもシステムとしては人事と給与はセットでないといけないと考えている方が多いようでした。またアウトソーシングしている場合は、更にシステムにおけるアウトソーサー側の指定や制約が生じる場合が多く、今回のように人事システムだけ自社の都合で切替えるということも難しいケースが多いそうです。RICOHは当初よりHROneに委託している給与システムはそのままで、自社運用している人事システムのみ切り替える検討でした。何がRICOHにとって最善かということで判断した結果でした。企業によっては運用しているシステムは様々なので、システム導入とアウトソーシングの活用について最善な形は異なると思います。システムは出来るだけ必要最低限な部分のみ切り替えできる方が企業にとっても都合が良いです。そうしたことが可能なHROneのシステム許容度の高さはこの業界の中ではとてもユニークで、他社との差別化になるのではないかと思います。もっとアピールしてはどうでしょうか?(長久様)
社内でもそのことは継続的に議論しています。ノウハウを維持するためにHROneに出向させて勉強させることも検討していましたが、本当に必要なノウハウは単純なオペレーションの理解ではなく、全体プロセスやシステムとの関係性の理解で、そうしたものは自社でも意識さえしていれば十分身に着けていけるのではないかと最近は思い直しているところです。ここ最近RICOH内で新システムの導入や新会社設立が続き、新たな業務プロセスの検討を経験しましたが、この時もHROneに丸投げではなく自社も一緒になって検討に入ることで、社内でも十分身に着けていけるのではないかと思っています。(中村様)

前職でもその不安は感じたことがあります。前職の人事部門でも給与はアウトソーシングしていましたが、給与を経験して理解している先輩方もいました。そのような中で、他職種から異動してきて実務経験がない自分としては、オペレーションが分からなくても全体プロセスが理解できていれば問題ないはずとは考えてはいましたが、給与を理解している先輩たちが残っているからこそ成り立っているのであって、いなくなると難しくなるのではとの不安もありました。(長久様)

その際に基準となるのが品質や価格であり、委託先の比較をするためにもこの業界ではもっとSLAを整備していくべきと考えています。特にこの人事アウトソーシングの業界では、何事も品質100%という考え方になってしまいがちで、まだSLAの考え方が十分浸透していません。本来そうした品質とコストのバランスがSLAという形で可視化され、それを基準に委託先を選択していけるようになるべきとの考えです。HROneは大企業のシェアードサービス会社が母体だったということもあり、当初からデータの正しさを重要視してきました。単に来たデータを正として処理するのではなく、いかに正しいデータを収集するかということについて他社よりも様々な検討をしてきた会社です。しかしその前工程も含めて単に「給与計算」としてひと括りに表現してしまうと、その強みをうまく差別化できないことに課題を感じています。
現行プロセスをより効率化することを一緒に検討していきたいですね。最近は社内でもプロセス検討の前に制度の基準や考え方を整理しようという良い動きがでてきていますので、色々な会社の業務を受託しているHROneには、その基準や運用ルールについても、もっと提案して欲しいと思っています。こんな手のかかる基準で動かしたら効率化できないという苦言でも大歓迎です。制度設計側のRICOHとオペレーション側のHROneとでもっとコラボレーションしていけることを期待します。(中村様)
他社が何をやっているのかについて情報共有してもらえるのは非常にありがたいです。巷ではよく「ベストプラクティス」という言葉が使われますが、給与の領域の話を聞く機会はあまりありません。しかしこうした領域にこそ「ベストプラクティス」があるのではないかと思っています。お互い次の段階に上っていけるような関係性を今後も構築していければ良いと思っています。(長久様)
